朱「へっくんも本来なら二十歳を越えているだろうに…漫画という枠に囚われているせいで永遠の十六歳か…」


屁「え、なんでせっかくの誕生日記念小説がそんな暗い始まり方なわけ!? 同時更新の雑談はあんなハイテンションだったくせ!!!」


朱「いやね、へっくんに出会ってからもうすぐ十年になっちゃうんだよ。へっくんを置いて俺が先に年老いていくのかと思うと……ハァ」


屁「いやいやそんな私情で暗くされても困る! とりあえずモチベーションを上げて! 読んでくれてる人達に申し訳無いから!」


朱「はぁい…」





間。





朱「っしゃああああかかってこいやああああ!!!!」


屁「誰にケンカ売ってんの!? てかモチベーション上げろとは言ったけどさすがに上がりすぎだから!」


朱「そこは気にしたら負けや! 兎に角、今から全力でへっくんの誕生日祝うからね!」


屁「あ、あぁ…ありがとう…」


朱「改めて言うけど、へっくん誕生日おめでとうおおおおおおおおおお!!!!」


屁「うるっさい! …けどありがとう」


朱「祝うにあたって、ゲストが居た方がやっぱり盛り上がるなーと思ったので、本日はこの三名様にお越しいただきましたー」


屁「三名?」






女へっくん「どうもこんにちは♪」


殺人鬼へっくん「ちっ、めんどくせぇ…」


赤ちゃんへっくん「バブー」





朱「以上三名様です(^ω^)」


屁「よりによってマニアックな奴ら呼びやがってええええ!」


朱「マニアックとは失礼な! みんなへっくんだというのに!」


屁「一人はともかくとして、二人はお前の妄想の産物だろ! 軽々しく呼ぶな!」


朱「はい、へっくんは五月蝿いから無視して」


屁「おいコラあああ!」


朱「上記二名を知らないって方は

イレギュラー


イレギュラー セカンド


を読んでください(^ω^) 俺は一応女へっくんを『レディ』、殺人鬼へっくんを『マッド』、赤ちゃんへっくんを『ルーチェ』って呼んでます」


マ「けっ、安直な名前つけやがって」


朱「む。安直じゃないもん! 色々考えてつけたもん!」


ル「あぶ?」


マ「ほぉ? んじゃ今この場で名付けた根拠言ってみろよぉ」


朱「おお言ってやろうじゃねぇか!」


マ「言っとくが、一つでもくだらねぇ理由があったらぶっ殺すからなぁ」


朱「あれ? いきなり死亡フラグ立ってないかな? 気のせいかな? ん?」


レ「マッド、あんまり朱那を苛めちゃダメよ」


朱「レディさんっ…!!」


レ「今日あたし達がここに居るのはこんなちんけなお嬢さんを苛めるためじゃないんだから」


マ「…それもそうだなぁ」


ル「あー♪」


朱「守ってくれたのかそうじゃないのか分からないよレディさん」


屁「ていうか俺ほったらかし! 主役であるはずの俺が超ほったらかし!!」


レ「あぁ、ごめんね。忘れてたわ」


屁「(泣)」





間。





レ「全く、あなたも物好きよねぇ。あたし達みたいな人格作り出しちゃうなんて」


朱「あんたらを生み出すのに五年も掛かっちまいましたがね」


レ「そうよねぇ。第二部が始まってから出て来た邪王に気を取られてたし。ルーチェや邪王以外の人格を創造するなんて考えつかなかったんじゃないの?」


朱「それもあるなぁ。つか未だ邪王のキャラが定まらないのが悩みの種です」


レ「良いじゃない。それだけ使いやすいってことでしょ?」


朱「そうとも言う」


屁「和やかに話しながら俺にケーキ差し出すの止めてくれないかな」


朱「えー。せっかく食べさしたろう思ってんやから黙って食えよー」


屁「両サイドから挟まれたら食うに食えねぇよ」


レ「我が儘ねぇ。じゃあ良いわ、朱那のから食べなさいな」


朱「さっすがレディさん! 大人ですねー! てなわけでへっくんあーん」


屁「………あーん」


朱「(やっべ萌えるハァハァ)」


ル「う?」


マ「ルーチェ、あれには近付くなよ。鼻血つけられるから」


ル「むー」


朱「失礼な! これは鼻血じゃない! 愛だ!」


マ「うるせぇカス」


朱「orz」


レ「じゃあ次はあたしね。はいあーん♪」


屁「えっ、あ……あーん」


レ「フフッ、照れてるのかしら? ヘッポコ丸くん?」


屁「な、バ、そんなわけ…!」

レ「そーんな赤い顔して否定されたって説得力無いわよ」


屁「うぅ…」


マ「けっ。良いように遊ばれてやがんなぁ」


朱「言ってやるなって。レディさんの色香はへっくんには強すぎるんだよ。ボーボボ一行に大人の女性も居ないから、免疫が無いんだよ」


マ「成る程な」


朱「エロポコ丸だし(笑)」


マ「ハハハ(笑)」


屁「聞こえてるぞお前ら!!」


朱「聞こえるように言ってるから当たり前やろ」


マ「何寝言言ってんだ、頭大丈夫かぁ?」


屁「殺すぞお前らっ!!」


レ「はいはいケンカしないの。ちゃんとケーキ食べましょうよ。せっかくのお祝いなんだから」


朱「はーい」


マ「けっ。つまんねー」


レ「あらマッド。嫌なら別に無理して食べなくて良いのよ? あっちでルーチェと遊んでなさいよ」


マ「なっ…べ、別に食いたくねぇ訳じゃねぇよ!」


レ「あらあら、本当かしらねぇ?」ニヤニヤ


マ「るっせぇ! オラ栞葉! さっさとフォークとケーキ寄越せ!!」


朱「はっはいいぃ!」




屁「……あの、レディ…さん」


レ「なぁに?」


屁「…もしかして、あの…マッド、を苛めるの、楽しんでないですか?」


レ「うふふ…御明察よ、ヘッポコ丸くん」


屁「やっぱ楽しんでたんですか…」


レ「だって、マッドって意外に可愛いもの。人を殺すことが好きなくせに、あたし達や朱那を殺そうとはしないところとかね」


屁「それは…ただ単に殺す価値も無いって考えてるだけなんじゃ…」


レ「さぁね。本当の理由はあたしにも分からないわ。でも…」




マ「おら栞葉ぁ! なんでお前のケーキのがデケェんだよ! ぶっ殺すぞぉ!」


ル「あ、うー♪」


朱「大して変わらないですマーくん!」


マ「誰がマーくんだぁ! そこに直れ、十三枚に卸してやるよぉ!!」


ル「あー♪」


朱「Σ数がパネェ!? やめてやめてやめtギャアアアア!!!!!」





レ「ほら、楽しそうでしょ?」


屁「いやいや、朱那が今にも十三枚という尋常じゃない数に卸されそうになってるけど!?」


レ「普段のマッドならあんな風に言わないわよ。あんな誰が聞いても冗談って分かるようなこと、マッドは絶対口にしないもの」


屁「そうなんですか?」


レ「ほら、実際、朱那は十三枚に卸されてないでしょ?」


屁「卸されたら大問題だよ!」


レ「マッドもそうだけど…ルーチェもあたしもあなた…『ヘッポコ丸』だもの。あなたが大事だし大好きよ。マッドも同じことを思ってるはず。だからマッドはあなたは殺さない」


屁「あ…」


レ「朱那のことだって、自分という存在を確立してくれた人だからね。軽口叩けるのも当然よ。無碍には扱わないわ」


屁「よく見てレディさん。凄い勢いで足蹴にされてます」


レ「でも本気じゃないのはあなたも分かるでしょ?」


屁「それは、まぁ…マッドが本気になったら朱那なんか木っ端微塵になってるだろうし」


レ「それもそうね(笑)」





マ「おいヘッポコ丸! レディ! ルーチェを止めてくれ!」


ル「バブー!!」


朱「だああああルーくん止めてえええ! マッド早く止めろよ!」


マ「おれが止めたら確実に泣くんだよ! コイツ泣き始めたら止まんねぇんだよぉ!」


朱「なんだなんだお前は子守りは出来ないのか役に立たなiギャアアアアルーくんストップストップ! ケーキ振り回すのはやめてええええ!!」


マ「だああああ生クリームがついたああああ! ヘッポコ丸うううレディいいいさっさと止めろバカ野郎おおお!!」




屁「あーあ、一体何処が誕生日祝ってくれてるんだか…」


レ「ケーキ食べさせてあげたあたりかしらね?」


屁「こんなんで良いのかなぁ…」


レ「良いのよ。所詮このサイトは自己満の塊なんだから(笑)」


屁「辛辣ですね…」


レ「間違ったことは言ってないから良いのよ」


屁「(祝われる側の俺としては複雑なんだけど…)」





マ「いって! 生クリーム目に入った!」


朱「うぉわ! 裸足で苺踏んじまった!」


ル「バーブー!!」


朱「ルーくん待った! フォーク投げるのは危なすぎる! 危なすぎるからあああああ!!」


マ「まっ前が! 前が見えねぇ!」


ル「あーうー!」





屁「(まぁ…こういうのも、悪くは無いかな)」


レ「どうしたの? やっぱりちゃんと祝ってほしかった?」


屁「いいえ。そんなことありませんよ。とにかく、そろそろあの二人を助けに行きませんか?」


レ「…そうね。早く行かなきゃ二人が穴だらけになっちゃうしね」


屁「冗談抜きでね」


レ「フフッ…さぁ、行きましょう」


屁「はい!」












celebrate
(自分自身に祝われること)
(これ以上の幸福なんて無いよ)










このあと二人はしっかり助けられます(笑)。仲間に祝われるのも良いけど、こんな形で祝われるのも有りだよな! な精神で作りました。楽しんでいただけましたら幸いです。








栞葉 朱那

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