菜の花のお話

□─今日の日記─
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やっと今日が終わった。


毎日毎日そんなことを思うけれど、今日が終わったからといって、また明日がやってくる。



最近、一緒にお話してくれる人ができた。その人はとってもいい人で、私の鬱陶しいこの性格でも話を聞いてくれる。
それはとても嬉しいことだけど、その人は本当の私を知らない。
毎回話すたび、相手に嫌な思いをさせていないか、めんどくさくないか、そればっかり考えて…
その人は私をいい子だと言うけれど、そんなことはこれっぽっちもない。

私は、最低の人間だ。

知らないうちに、たくさんの人を傷つけてきてしまった。自分で、これが相手の為だって思ったことは、すべて駄目になる。
なんの為にもならず、逆に相手を傷つけてしまう。
私は、自分で考えて動いてはだめだって学習した。
きっと、誰かがこうしてほしいと望むことだけをしていれば、あの人が言うようにいい子になれる。
間違っていてもいい。自分がぼろぼろに傷ついてもいい。相手さえよければ、それでいい。
私は、他の人の言うことさえ聞いていればいい。

初めからそうしていれば、誰も傷つかなかったし、あの事件が起こることもなかった…。
私はあの日以来、心から人と関わろうと思ったことはないと思う。
深く関わって、その人をまたあの時のようにしてしまうのではないかと、不安で不安でたまらない。
眠れない夜を過ごし、朝が来るのが怖い。

自分の居場所なんて、どこにもないのではないかと、思ってしまう。
この世界には、存在していてはいけないのではないか。
私が生きていて、何かいいことはあったか。誰かの幸せになったか。

どれほど探しても、そんなことない。

むしろ誰かの重荷になったり、悲しみを与えてしまう、ただの邪魔者でしかない。
早く消えなきゃって思う。


こんなこと言うのはおこがましいのだが、私は死ぬのが怖い。
死にたい、死ななきゃいけない…でも死ねない。
自分で命を絶つこともできないくせに、死にたいと切実に思う。


なんてめんどくさいのだろう。
自分が本当に嫌になる。




私は毎日思う。
「この世に生まれてきて、ごめんなさい」って。
自分がいなかったら、誰かの邪魔とか迷惑になることはないし、その人は私なんかと関わらず、もっと時間を有意義に使えたはず。
その人の大切な時間を私が邪魔しているのではないかと、いつもいつも思うのだ。







──あ、夜が明ける。
また、今日が始まる…。

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