百物語

□第壱夜
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だれかさんが
だれかさんが
だれかさんがみつけた

小さい秋
小さい秋
小さい秋みつけた

目かくし、おにさん
手のなる方へ
すましたお耳に
かすかにしみた
呼んでる口笛
もずの声

小さい秋
小さい秋
小さい秋みつけた







お〜い銀時、一緒に遊ぼうぜ〜?








え、良いよ俺は! 一人で遊んでるから‥









ンな事言わずに遊ぼうって! みんなも銀時と一緒に遊びたいよな〜?










ん〜〜〜!!











ほら! さっさと行こうぜ銀時












いや、あの













ほら早くやるぞ! …せーのッ














ちょっと待って――















鬼さんこちら 手のなる方へ〜〜〜!!!!
















第一夜

















――――――――――――1.







「…はっ!!…‥ハッ…ハッ…‥」



何の前触れも無く、この家の主――゛万事屋銀ちゃん″という、所謂何でも屋という店の主人こと゛坂田 銀時″は突如目を覚ました。


寝覚が悪いのか、あるいは夢見が悪かったのか。

彼は浅い呼吸を何度も繰り返し、なんとか自分の今の廻らない頭で混乱しながらも体を落ち着かせようと努力する。

そして漸く落ち着いたのか、汗だくで額に張り付いてしまった前髪を右手で掻き分け深く深く溜め息をつく…。


「はっ…はっ…‥は―――ふっ…夢‥か」


そう言って銀時は安堵とも嫌悪ともつかない溜め息と言葉を漏らす。

そして何かしらか気に入らないのか、普段は絶対に寄る筈のない眉間にギュムッとシワを寄せ、両目をキツく瞑り口も真一文字にキュッと結ぶ。

なる程と、謎が一つ解けたような感覚になってくる。

彼は少し忌々しそうに呻き、両手の指で瞼(まぶた)の上から目の周りの筋肉を静かにほぐす。

「は…ふぁ〜あ、嫌な夢見ちゃったよ、おい…」


そう言って彼…銀時は欠伸を噛み殺し、寝起きながらも愚痴を零す。

しかし本当に夢視が悪かったのか、起きてからも未だに彼の身体はカタカタと小さくも震えていた―――‥‥。







――――――――――――2.




「お早うございまーす!」


そう元気良く言って入ってきたのは、見るからにどこにでも居るようなふっつう〜なこの眼鏡掛け機は、万事屋銀ちゃんの従業員兼銀時の助手兼ただのパシリでした。

てっ!! 眼鏡掛け機って何ですか眼鏡掛け機って!?」

『おや? 何か問題でも有りましたか?』

『有りましたか?』じゃねェよ!! ったく、あんたはもぅ毎度毎度好き勝手に僕らの事弄り倒して――」

『あん? 別に好き勝手してる訳じゃないよ。 つか、どっちかっつうと好きに弄り放題してるのは新八限定だけれどもねェ(笑)』

「だとこのクソ女ああああぁぁあああ!!!??」
「うっせェゾこのクソ眼鏡掛け機ガァァ!!!」

ごがしゃん!!
「ぎゃあああああぁああ!!!!」

と、散々管理人にイジメ倒された哀れな眼鏡掛け機は、踏み潰された蛙のような奇声を上げながら寝起き一発の蹴りを神楽に喰らわせられたのだった。 そしてそんな中゛小っちゃい銀さん″ことグラさんは意気揚々と朝食の催促も欠かさず求めるのであった。』

「流石、管理人様々アル! 私のことキッチリ分かってるネ! これからは女王゛神楽様″と呼ぶヨロシ。」

『いや、絶対ェ嫌だネ。 大体胸ペチャパイのくせして威張るンじゃないヨ、餓鬼が。』

「だとゴラァァァァァァ!!!!!」
 

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