永久物語

□゛『愛されたい』、ただそれだけ。″〜自分の存在意義〜
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真っ赤な夕日。

真っ赤なお空。

真っ赤な月。

真っ赤な太陽。

真っ赤な大地。

真っ赤な影法師。

真っ赤な星。

真っ赤な瞳。

真っ赤な血。

でも―――


『屍を喰らう鬼が出ると聞いて来てみれば……君がそう? また随分とカワイイ鬼が居たものですね。』

『刀(それ)も屍から剥ぎ取ったんですか。 童一人で屍の身ぐるみを剥ぎそうして自分の身を護ってきたんですか。 たいしたものじゃないですか。』

『だけど、そんな剣もういりませんよ。 他人に怯え自分を護る為だけにふるう剣なんて捨てちゃいなさい。』

『くれてあげますよ私の剣。 剣(そいつ)の本当の使い方を知りたきゃ付いてくるといい。 これからはそいつを振るいなさい。 敵を斬るのではなく弱さ己を斬る為に。

己を護る為ではない――――』

でも、初めて出会ったアナタはとてもキレイな黄金色でした―――。

―己の魂を護る為に―――





゛『されたい』、ただそれだけ。〜自分の存在意義〜






――――――――――――1.



サァァァアアアア―――…


とても静かに軽やかに、しかし容赦なく雨は叩きつける…。

先程まで降り続いていた雨は一時的になりを潜めていたのだが、再びこの嫌な雨は降りてくる―――。


あれから゛高杉が江戸に入った。″という情報を渡され一旦戻るよう頼まれた土方は、今は自分の職場であって我が家である゛屯所″へと戻ってきていた。


土方もとい真選組の鬼の副長である土方 十四郎は元々正式には侍でなく普通の農民の子供だった。

あの頃は自分もこのまま大人になって家業を継いで、このつまらなすぎる土地に骨を埋めて眠るのだろうと思っていた―――。

しかし、天人という宇宙から来た異人達の巨大過ぎる力により、弱腰な幕府などによって今までの゛地球の世界の全て″というモノも何もかも奪われてしまった……。

そして後に警視庁の゛松平 片栗虎″の誘いによって江戸へと上京する―――。



「本当にすまんなトシ…久々の非番なのに」


そう言ってゴリラ顔をした彼は土方の方に向き直って何度も済まないと頭をかく。

この頭を何度も下げる彼は先程説明した通り土方の故郷とも呼べる゛武州″にある小さなボロ道場の主だった゛近藤 勲(いさお)″であった。

天人や幕府によっての廃刀令により道場も剣も無くしはしたが、それでも周りの奴らを彼は見捨てる事等決してしなかった。

そして共に途方に暮れていたところを松平に拾われ江戸へと上京し、そこで゛真選組局長″を勤めている人物である。

ここだけの話なのだが、ある日ある時かぶき町の゛スナック すまいる″という名の店で水商売をしている゛志村 新八″の姉、お妙と出会いそしてそこから色々あって銀時達と知り合ったのだった。


なんとなくゴリラに似ているのだがれっきとした人間である(多分)。

「いやいやそんな事無いですって近藤さん。 土方さんはコレでいて゛仕事人間″なお人だからこのぐらいが丁度良いんでさァ。 旦那も可哀相だねェー、ホントそのまま過労死してくんねェかな土方コノヤロー」


「総悟ォォォォ! お前どさくさに紛れて何言ってくれてんのォォォォ!!?」

「五月蝿(うるさ)いですね土方さんただの冗談でさァ」

「冗談に聞こえるかァァァ!!」

と、土方とそんなやりとりを繰り広げる彼の名は゛沖田 総悟″であった。
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