・Novel
□負けられない理由になった。(黄→笠)
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休憩の為に床に腰を下ろしてると、
「うひゃっ!!つめたっ!!」
急に頬に冷たい感触を感じ驚いて振り返れば、
「びっくりしたか?」
とウチのキャプテンが笑っていて、ホレ、と買ったばかりであろうジュースを差し出されたので有り難く頂いた。
「オマエ変わったな。」笠松さんはオレの隣に腰を下ろして、そう言った。
「そっスか?」
「前だったら自主練なんかしなかっただろ。」
「はは、そうスね〜。」
前、誠凛との練習試合に負ける前。確かにオレは自主練なんかしなかった。
する必要なんかない、そう思ってた。
でも、
「でも、もう負けられないっスから。」
オレは笠松さんの目を見つめて言った。
「……っいて!!何するスか〜」
突然肩パンを食らって非難の声を上げれば今度は乱暴に頭を撫でられた。
「オレも自主練してく。」
笠松さんはそう言うと、立ち上がり、部室へ向かった。
オレはただ、その背中をぼんやりと見送った。
ねぇ、笠松さん。
オレが負けたくないのは、勿論火神っちと黒子っちに負けたのが悔しかった、二度も負けるなんてプライドが許さないってのもあるけど…
少しでも長くアンタと同じコートにいたいからなんだ。
だから、
「もう、負けねっスよ。」
そう口に出して言い、オレも立ち上がった。
少しでも長く、長く、アナタと勝利を積み上げていきたい。
それが、負けられない理由になった。
…少し、元チームメイトの彼が言っていた事が分かった気がした。
END.
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あとがき.
負けた瞬間引退決定。
勝負の世界は厳しいです…。
あの練習試合後に黄瀬がこんな風に変わってたら可愛いなーと思って←
笠松さんともっとバスケをしていたいと思う黄瀬と、その気持ちを何となくわかってあげてる笠松さん。な感じ…になってますかね?