・Novel

□恋は道連れ(火←黒+黄→笠)
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「黒子っちはさ、火神っちに告白とかしないの?」
黄瀬の声が静かな公園にこだました。
互いに片思い中の黒子と黄瀬はよくこの公園で相談をしたり、受けたりしていた。

「…多分、しませんね。」
そう答えた黒子に「なんで?」と問えばポツリポツリと話し出した。
「もしも、想いを伝えて火神君に避けられたり嫌われたりしたら…」
「…したら?」

「死にます。」
黒子は静かに、そしてキッパリと言った。
火神に嫌われたら生きていけない。そのことは黒子にとって何よりも確かな事だった。
「そっか…。そうだね。オレももし笠松先輩に嫌われたら死ぬなー…。」黄瀬も己の想い人を思い浮かべながらそう呟いた。


「黄瀬君、」
押し潰されそうな静寂を破るように黒子は黄瀬の名を呼んだ。
「なに?黒子っち。」
呼ばれた黄瀬も黒子を振り返る。
「片思いって辛いですね。」
「…そうだね。」
泣きそうな微笑みでそう言った黒子に黄瀬も泣きそうな笑顔で返した。



「…もしも、ですよ。」
「もし僕が火神君にふられ、黄瀬君も笠松さんにふられてしまったら、」
「ちょっと黒子っち、縁起でもない事言わないでよ。」
最悪の結末を語る黒子を制止しようとしだが、黒子は構わず語り続けた。
「そして生きるのも嫌になってしまったら…
黄瀬君、僕と心中しませんか?」
「…良いっスね、ソレ。黒子っちとなら喜んで。」
2人は互いに静かに微笑み合った。


恋は道連れ、世は情け。
ー弱虫な僕等は失恋の痛みを負ってまで生きていけない。だけど1人で死ぬのはあまりにも惨め。
だから同志の君と甘美な心中をー



(もしその時が本当に来ちゃったら、その時は黒子っちの事を『笠松先輩』って呼んでも良い?)
(良いですよ。僕も黄瀬君の事を『火神君』って呼ばせてもらいますから。)
 
 
 
+++++++++
この2人の片思いは辛そうだな、と…。
ラブラブが好きです。

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