・Novel

□嘘の日に、(黄笠)
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「今日って何の日かわかるか?」

オレは笠松先輩の突然の質問に少し間を空けながらも、
「エイプリルフールっスね。」
と答えた。
笠松先輩はオレの答えに頷き、
「これから言うことは嘘だから。」
いいな、と念を押すように一言。
そして一息ついてからオレを真っ直ぐ見据えていった。

「黄瀬、愛してる。」


普段は絶対に言ってくれない言葉に一瞬嬉しさが込み上げる。
そして直ぐに落胆。
(嘘なのか…でもっ…いや…)
ぐるぐると悩んでいると、笠松先輩はポツリと呟くように言った。

「…嘘って言うのが嘘だから。」
「っ!!」



嘘の日に素直な気持ちを君に。





(嗚呼、この人可愛い過ぎ!!)



END.

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