・Novel

□What color is it?(火+黒)
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(火神君がおかしいです。)

黒子は最近妙に火神の視線を感じていた。
授業中に部活中に…etc.

しかし目が合うことがあれば黒子が何かを問い掛ける前に慌てて視線を外された。
(なんなんでしょう?)
黒子は溜め息をついた。





 
「火神君…何か僕に言いたい事があるんじゃないんですか?」
そんな火神のおかしな態度が数日つづいたある日、黒子は部活前の更衣室で火神に詰め寄った。

「べ、別にねーよ‥」
火神は詰め寄る黒子から目をそらした。
「嘘です。最近、ずっと僕の事を見てるでしょう。何かあるならハッキリ言ったらどうですか?」黒子も譲らず火神に詰め寄る。
そんな2人の様子に更衣室に居合わせた他の部員達も喧嘩になるのではないかとヒヤヒヤし始めた。



やがて、
「なぁ、黒子…」
と火神は諦めたように声を上げた。
「何でしょう?」
「…お前、その髪地毛なんだろ?」
「……地毛ですけど」
漸く口を開いたと思えば、予想外の質問で気が抜けつつも黒子は答えた。
「じゃあさ、あの、えっと…」
「?」
火神はらしくもなくモジモジとしていたが、やがて意を決したように口を開いた。



「じゃあアソコの毛も髪の毛と同じ色なのか!?」
(((はぁああ!!?)))
真剣な目で黒子に問い詰める火神の言葉に事の成り行きを見守っていた部員達はずっこけた。

「…じゃあ見てみます?」
だが、黒子は火神の言葉に慌てず動じずそう言った。
(((ってみせるのかよ!?)))
「え、いいのかよ?」
(((お前も見るのかよ!?)))
「はい、じゃあ火神君こっちに…」
部員達の心の中のツッコミも虚しく、2人は部室の隅へと連れ立って行った。



ー間。



「へーナルホドな。スッキリしたぜ。」
火神は明らかにスッキリ!っと言う顔で黒子に笑い掛けた。
「そうですか。良かったです。」
黒子もそんな火神に仄かに微笑み掛けた。




(((…で、結局何色なんだよ?)))
そして偶然そこに居合わせてしまった部員達はどうでもいい疑問に頭を悩ませることになったのでした。


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