・Novel

□後ろから不意打ち(火黒)
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「ねぇ、火神君」
「んだよ。」
「黒板が見えません。すみませんがちょっとズレてくれませんか?」
「あぁ悪ぃ。」



「ねぇ、火神君」
「あ?」
「邪魔です。同じ方向にズレないで下さい。」
「あ゛ぁ゛?お前が逆にズレろよ。」



「ねぇ、火神君」
「今度は何だよ。」
「スキです。」
「……はぁ!!?」



「何が『はぁ!?』だ!!」
「ってぇー!!」
驚いて大きな声を上げてしまえば教師に教科書の角で叩かれた。
かなり痛い。うっすら涙さえ浮かんで来た。
「たく、お前はちょっとは落ち着いて授業を受けろ。」
教師はそう言って授業を再開する。

(お前のせいだぞ!!)
と後ろを振り向き非難を込めて黒子を睨む。
「…前向かなくていいんですか?また怒られますよ。」
「オマエなー‥」
睨まれてる事を気にする様子もなくいつもの無表情で淡々と言い放黒子に文句を言ってやろうとすれば、
「火神君、」
と呼ばれ、その後に音のない口の動きだけの言葉を向けられた。
黒子は仄かに微笑んだ。


『す・き・で・す』
黒子の口は確かにそう動いていた。

 
「〜!!」
俺は前を向き直り、叩かれた頭を痛がるフリをしながら真っ赤であろう顔を隠すために頭を抱え俯いた。

(くそっ!!後で覚悟しとけよ!!)







※注意:危険ですので授業中の後ろの席からの告白は止めましょう!!


END.
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