・Novel

□ひねくれヒーロー(火黒)
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「毎っ回毎回、オマエは何考えてんだ!!」
ガミガミと怒鳴る火神の声が校舎裏に響いた。
「だって暴力はいけませんし…それに弱い者イジメは許せません。」
「だからってなぁ…お前も弱いんだよ!!ちったぁ自覚しろ!!」


此処は校舎裏。
火神が言っているのは不良達に絡まれている生徒を見つけ、後先考えずに黒子がその仲裁に入っていった事だった。
黒子はどうも正義感が強いらしく、そう言うことは何回かあった。
 
「…正義感が強ぇーのはいいコトだしオマエらしいと思うけどなぁ…せめて人を呼んでくるとかしろよな。
ケガとかさせられたらどーするんだよ。」
はぁっと火神が溜め息混じりに言った。
「とっさの事で忘れてました。」
黒子はしれっと言う。
「あのな〜」
「それに大丈夫ですよ。」
「な〜にが大丈夫なんだよ!」
火神は反省の色が全くみられない黒子の口調にまた少し声を荒げた。
「だって本当にピンチの時は絶対火神君が来てくれますから。」
「そうでしょう?」っと言いたげに黒子は火神の目をじっと見つめた。
「…たりめーだろ」
火神はくしゃりと黒子の頭を撫でた。
「でもな、ホント無茶はやめろよ。
もしオマエになんかあったらかと思うと心臓止まりそうになるんだよ…。」
火神は眉をしかめ、苦しそうな顔を見せた。
「火神君…。次からはちゃんと気を付けます。…心配させてごめんなさい。」
黒子はそう言って珍しく自分から火神に抱き付いた。


ー…
ねぇ、火神君。
僕が無茶をするのは火神君がいつでも助けに来てくれたり、僕を心配して怒ってくれるのが嬉しいから‥かもしれません。

…オマエ、ひねくれてるな。

ありがとうございます。

誉めてねーよ!!

でももう無茶はしませんよ。
火神君の心臓が止まってしまったら大変ですからね。

〜っ!!
(あんな恥ずかしいコト言わなきゃよかった!!)

(…次からはちゃんと気を付けよう。火神君の辛そうな顔はもう見たくありません。)
ー…

END.
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