short story
□尾杜は魔法使い
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「おや?珍しいね〜君がメンテに来るなんて」
「…嫌味に聞こえますよ、尾杜先生…」
俺は今、探偵事務所があるスラム街の地下に居る
何故って?…それは勿論俺の主治医、尾杜先生に会うためだ
尾杜先生は俗にいうモグリだから…こんな所に病院を構えているんだよね
「こんな素直に来るなんてね〜、絶対香織君になんか言われたんでしょ?」
「あ、やっぱ分かります?」
事の始まりは南の島から帰って来た時…
『お前、メンテサボってたんだな』
うぅ…怒られるとは思っていたけど、予想以上に香織が怖い
香織が大きく見えるよ!俺より小さいはずなのに!!
思わずその威圧に負けて、床に正座してしまう
「し…仕事忙しかったしさぁ…なかなか行く暇が」
『ほ〜〜〜〜、この前探偵事務所に遊びに行ったくせにぃ?』
か、香織の口元がひくついている…
あぁ…今敵に銃に向けられているより、恐怖を感じているかもしんない
黙ってしまった俺に呆れたのか、香織は聞こえるように大きな溜め息をついた
『……メンテ行くまでふわふわオムレツ無し』
「なんですと!?」
香織のふわふわオムレツが…食べれない!?
そんな…地獄じゃないかぁあああ!!!
「香織!それだけは!」
『そんなに嫌なら早く病院行ってくればいいだろ?まだあそこの病院ならやってるだろうし…』
「行く!行ってきます!!」
というわけで…