short story

□大切
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「失礼します。お呼びでしょうか?社長」


俺個人指定で社長室に呼ばれたのは、米良と組んでから初めて

どうしたのだろう…?米良のヤツが何かやらかしたのだろうか?
そして、拾ってきた俺にも責任があるからとかいって、ちゃんと教育しなさいとか



…有り得るな、十分有り得る



大体、米良は事務処理苦手だしなぁ…社長への言葉遣いもちゃんとした敬語じゃない

…まぁまともな会社という所にあの歳で初めて就いたのだ、仕方ないといえば仕方ないのかもしれないけど…


「あら、時間ピッタリ…相変わらずねぇ〜香織は」
「社長からの指示は的確に迅速に…これが俺の仕事ですから」


フフッと口元に手を当てながら社長が笑う

昔からお世話になっている方だ、厚かましいかもしれないが…俺は母親のように慕っている

…本当の親子関係や家族関係なんか知らないけど多分、こんな感じなんだと思う


「それにしても珍しいですね、社長が俺だけを呼ぶだなんて…」
「えぇ、今日呼んだのは仕事の話じゃないのよ。言うならば…そうね、小さな好奇心…という所かしら」




…とりあえず米良の失敗じゃなかったところに安堵する
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