short story

□矛盾だらけだけど
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拾ってからは大変だった

自分でもなんであんなモノを拾ったのか…理解に苦しむ
大体俺は何かを道端で拾って来たりするような性格ではないんだ

面倒な事を自分から引き受けたりするなんて本当に俺らしくない
社長の護衛をして、会社の仕事を淡々とこなし、質素な生活をしながら一生を終える…そんな生き方をするはずだった…いや、望んでいたのに


アイツを見つけた瞬間、自分の中で何かが動き出したのだと思う


ポケットに入れていた携帯を取り出して、さっき着信があったその番号に電話をかける

『社長、お話が…』

なんて、電話したものの状況をうまく説明出来なかったっけ
…我ながら情けない


社長の指示に従い、昔から馴染みのある尾杜先生に状況を話した
社長に一度片言ながらに話していたから、尾杜先生に話しをした時には結構スラスラ言えて

拾った重いアイツをベッドに寝かせると尾杜先生の診察が始まる


こりゃ、ヒドイね…なんて先生は呟いていたけど、そんな事俺でも十分分かるよ
素人から見ても、相当ヒドイ怪我だ

…生きているのかさえ分からないほどにね
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