short story

□あぁ、幸せ
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目覚ましが、なる

うるさいなぁ…機械音が耳にやたらしつこく響く
止めるには目覚まし時計のボタンを押せばいい。そんな簡単な動作でさえ、今はしんどくてしんどくて…



『起きろ、米良』

と、言う厳しい言葉と共に目覚まし時計のベルが止む
起こしにくるついでに止めてくれたらしい


あぁ…機械音より香織の声がいい

香織の声って落ち着くんだよなぁ…低くて優しい声
よくよく考えたらいつもこの声に包まれているんだよなぁ、なのに今でもこの声に気持ち動かされる


『起きろって言ってる、遅刻したいのか』

…ハッ!気が付いたら香織の声に落ち着き過ぎてうとうとしてた!!
ガバッと身を起こして今何時だろうと先程止められた目覚まし時計を確認する


…!?出勤時間30分前!?

「ちょ、香織なんでもっと早く起こさなかったの〜!?」
『起こしたぞ?結構前から起こしてたのに起きなかったんだ、お前が悪い』

ほら、とクリーニングに出してあった白いスーツをベッドの上に投げ出される

あちゃ〜…昨日お酒をいつもより飲みすぎたせいかな?
とりあえずスーツの事はココに置いとくとして、顔洗わなきゃ…
香織は既にきちっと出勤モード、空いている時間で洗濯なんかしている

…時間的に朝食は断念しなきゃ…うぅ、香織のふわふわオムレツが食べれない…

ため息をしながらガックリ肩を落とす俺の後ろで、香織は気にもせず脱水をかけていた
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