short story
□大人の付き合い
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『おい!この頃また酒の量が増えただろ!!』
あ…ヤバい!
ゴミを投げる日が近いのか、香織がゴミの整理をしていたらしい
空き缶や空き瓶が大量に入っているゴミ袋を両手に持ちながら、俺を睨み付けてくる
う〜ん…そんな顔しても可愛いのになぁ
「あ〜……えっと、とりあえずごめんなさい」
『とりあえずじゃない!何度言えば分かるんだ!!』
だって最近雪が続いてるから…雪道を散歩したくなるんだよ、んで散歩が増えるという事は酒の量も増えるわけで…
「で、でもさお酒って大人の特権じゃない?ほら!大人の付き合いと言ったら飲み会だし!?だから今俺は大人という大人を満喫してるわけで」
『大人の…付き合い?』
おぉ?香織が意外なところに食い付いてきた
香織はまだ未成年だし…お酒にも弱いからね、知らなくても当然かぁ
「うんと、社内とかでの親交を深めるために飲み会したりとか…あと会社と会社の取引とかで飲み交わされたり、それが大人の付き合い」
『へぇ…そういえば忘年会でも皆飲んでたな』
フムフムと納得しながら香織はまとめ終わったゴミ袋を玄関に置く
明日の早朝にでも捨てるのだろう、俺も勿論手伝うから明日は少し早く起きないと…