□I am in love with your eyes
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組み敷いた女の目が変わった

それまでは怒りで染まっていた瞳が軽蔑が篭った冷たい瞳に


ゾクッとした


「hey lady.どうしたんだ」

すると女はふんと嘲るように笑って

「哀れな男だな」

冷たく言い放った



その瞬間込み上げた何か、



傍らにある刀を手に取った


「この状況でまだそんな事言えるのか」

刃の先を冷たく透き通った左目に向ける

しかし女は顔色一つ変えやしない

ただじっと、俺を冷たく睨む


「目玉が欲しいならくれてやる」
「…は」
「貴様の見えない方の替わりにでもなんにでもすればいい」
「…女が強がってんじゃねえよ」
「強がり?馬鹿な。」


女の目が、また変わった


「なんなら両目やるぞ」

「意味がわからねぇな」


真っ直ぐ
瞳に濁りは一切ない


「見えなくなれば、もう余計なものが私の世界から消える。私の世界はあのお方一色で終わる」


「私は一生、一人を愛し続けられる」


願ってもないことだ、と女は笑った



それはお前など眼中にないと言われたようで

腹が立った


刀を投げ、ただじっと女を見る
気に入らない
あいつしか見てない目が気に入らない

「なんだ、止めたのか」

女が少し残念そうに投げた刀を見る

「ああ。いいことを思い付いたからな」
「そうか」

興味ない、とまた冷めた瞳に戻る

この目も好きだなと思った
(別にそんな趣味はないが)


この目を染めてやる


「目ん玉えぐるのは、俺しか見れないようにしてからにした」
「は?」


意味がわからないと、少し戸惑う女の唇を吸う


すると変わった目に写って見えたのは自分だけ


「貴様…何をするんだ!」


真っ赤になって怒る女をニヤリと笑って見下す


「俺に惚れさせてやる」

その目が俺しか写さなくなるまで

「逃がさないぜ、Honey」



盲目の彼女に恋をした

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