記
□Sister
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「どこ行くんだ。My sister」
「…………」
玄関から出て行く義妹を見て、仁王立ちでStopをかける。
かすがは凄く嫌そうな顔。得にお気に入りの白いエナメルのパンプスを履きかけて俺に向かって無言でガンを飛ばしてきた。流石極道の娘。地元で有名な不良の兄に向かって視線だけで人一人殺せるんじゃないか?という睨み方をしてくる。
「Ha!いい度胸じゃねぇか。独眼竜に刃向かうとは」
「プリン伯爵が何をほざく」
「Fall silent!!」
(プリンが好物なのは身内のみの秘密だ。)
「…何処に行くんだ?」
「貴様には関係ない」
「猿飛か?長曾我部か、毛利か?」
「貴様には関係ないと言っている!!」
「じゃああれか、真田か」
「………違う」
「Bingo」
ふわふわのスカートにピンクのカーディガン。花の髪飾りなんかしてめかしこきやがって。客観的に見れば男受けする良い女。勿論俺は妹にそんな疚しい気持ちは抱いてないが、まわりの男共はどうだ?イチコロだぞ。
「……真田の野郎なら俺も行く」
「はぁ!?」
「待ってろ」
バタバタと階段を駆け登る。
別に心配してるわけじゃねぇ。万が一痴漢等に合ってもかすがなら軽々やっつけてしまうだろう。しかし真田や周りにいる害虫共はどうだ?俺とタイマン張れる野郎ばかりだ。流石のかすがでも力任せに襲われたら敵わない。
(心配してるわけじゃねぇ。ただ俺はrivalの真田と…)
「………居ねぇ」
準備万端で玄関に向かえばそこにはかすがの姿は無い。
「やられた」
普通考えれば万年反抗期の妹が逃げ出すのは当たり前だがそれに気が付く俺じゃない。
呆然と立ち尽くす俺に背後から声がした。割烹着を着た小十郎だ。
「お出かけですか?」
「ん…あ、ああ。…ちょっくらconveneに」
「またプリンですか」
「No!」
「かすがは真田とケーキバイキングだそうです」
「………」
苦悩は続く
終
リクエスト:義兄妹な伊達とかすが