□They are abnormal
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その日の昼休みはかすがにとって記憶から抹消したいものになった。


暖かい暖房のきいた保健室。屋上に雪が積もったせいでそこに居られなくなった仲間達が代わりにとそこで弁当を食べている。もちろん、保健室の悪魔は健在だ。

「なんかさぁ…。可愛い」

佐助はいきなりフラスコが並ぶテーブルに肘着いて目の前で弁当を頬張るかすがを見て言った。

「は?」

かすががぽかんと口を開け、佐助が発した言葉に疑問を持つ。

「何をいきなり…」
「何を言っている佐助!!」

かすがが言う前に幸村が怒鳴って立ち上がる。
反論してくれるのかそうかとかすがが安心したのもつかの間、

「かすが殿が可愛いのはいつものことでござる!」
「その通りだぜ真田!」
「そっか俺様としたことが」
「お前、なんなんだ…」
「弁当食ってるだけでなんで…こう、萌えるんだろう」
「ああ…分かる気がする」
「タコさんウインナーを頬張る姿とかね」
「萌え萌えだね」
「馬鹿共め。あのほっぺに付いているケチャップを見よ」
「かあいいねぇ」

可愛い可愛いと、話の輪に慶次や政宗、元親元就も加わる。「気持ち悪い」と嫌な顔し、弁当食べるのを一時中断して、(ケチャップを拭いて)かすがは常識人(だと思われる)小太郎の背中に隠れる。それさえも、男共が悶えるに十分な行動だった。

「そうそうこんなところとかね」
「あー…なんかあれ、思い出す。あの歌」
「かくれんぼ?」
「あ、それだそれだ」
「ひよこがねーお庭でちょこちょこかくれんぼ?」
「うん」
「明智助けろ!」
「あなたの嫌がる顔を見るのが好きなので私も加わりましょう。可愛いかすがちゃん」
「死ねぇ!!」

出前ラーメン啜っていた光秀が野郎共の輪に加わる。かすがは可愛い、あんなところが萌だ、解剖したいなんてかすがにとっては耳をふさぎたくなるような会話が聞こえてくる。

「いやだ…気持ち悪い変態達が居る。助けて風魔」

ぎゅううと腕にしがみ付いて助けを叫ぶ。小太郎はちょっと間を置いて、かすがの頭を優しく撫でた。

「……」
「ちなみに小太郎もその変態さんの中のひとりだからね」
「っ!!?」
「………!?」

即座に逃げる。

「お、お前までも…!嗚呼私はどこへ行けばいいのだ!」
「…!…!」
「我の胸へ飛び込んで来い!」
「むしろ俺だ」
「come on!」
「元就は考えてやってもいいが眼帯二人は無理」
「ひでぇ」

「むしろ僕の下で喘いでくれないかい?」

シャーとベッドのカーテンが開く音がした。そこには顔色の悪い竹中が無理そうに、でも楽しそうに笑っていた。

「いつからそこに」
「二時間目の途中からかな」
「症状は貧血です」
「君達!甘いよ甘過ぎるよ!そんなんでかすが君の魅力を語っているつもりなのかい!?」

竹中も交え、野郎共が「かすがの魅力」と題して鼻息荒く発禁用語も飛び交い、かすがはもう屈辱と恥辱で泣きそうになりながら、「しばらく近づくのはやめよう」と心に決め、こっそりとその地獄絵図に背を向けて保健室から飛び出した。


そして。教室に戻り、市に保健室の出来事を話せば、

「かすがちゃんは可愛いよ?」
「市までもかぁぁぁぁあ!!」

首傾げて言う市にかすがが絶叫した。






リクエスト:かすが総受けで皆かすが見てはあはあしてる小説

(言い訳)
これはあまりにひどすぎやしないか自分(^q^)
野郎共がどんなこと語っていたかは全力で想像にお任せします。思いつかなかったわけじゃないですよ (死

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