三万打!!

□月溺
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目の前の極上の御馳走を待ち侘びるかの様に、赤い唇を舐め、艶やかに笑った。

腰の辺りに座る女は、ゆっくりと両腕を上げると、その白く細い良く動く指を見せ付けながら舐め回した。口淫の様なそれはあまりに淫猥で、不覚にも、こくりと生唾を飲んだ。


お預けを食らってるのは我の方だ。こんなにも美しく、色めかしい女に、触れる事も叶わぬなんて。


くちゃ ぴちゃ と、指をしゃぶる水音は、静かな部屋に響くばかりで、それはかすがの弾む息と、我が息を殺す音に交差する。金色が揺れる。
女の姿に視線は釘付けで、その視界の端に映る小窓から丁度良く覗く月。

触れたい。
触れて、暴いて、支配してやりたい。



咄嗟に手は彼女の方を掴もうと伸ばしていた。
しかし呆気も無くかすがの手によって叩かれ落とされる。一瞬だけ触れ合た手が、彼女の唾液で濡れていた。


かすがは、罪を犯した許されぬ男を軽蔑と侮蔑を込めた瞳で睨んできた。


「決して貴様から私に触れるなと言ったはずだ」

無慈悲に冷たい言葉が降り注ぐ。



「それが私が貴様の側にいる条件だったろう。どうなんだ、なぁ。元就」

顎に手を添えられ、くいと上を向けさせられる。無理矢理視線がかちあう。冷たい瞳だ。自分が言うのもなんだが。
だがその奥に、焦がれて止まない淡い光が秘められているのも知っている。


「違うなら、私は姿を消すぞ」
「…ならぬ」
「なら…」


解っているよな?
首を傾げて問いてくる。打って変わっての可愛らしい仕種に心がざわめく。


「束縛して身動き出来ないようにしてもいいのだけど、貴様の誠実な心を見たいからな」
「くっ…」


屈辱的だが厭な気がなかった。

嗚呼、手懐かされている。
我とした事が。墜ちたものだと自分を嘲る。


しかし気付いた所でもう後戻り出来なくなっていた。こんなにも深い場所まで溺れている。



「嗚呼…私の可愛い元就」


高揚した表情で我の頬を撫で回し、髪をくしゃくしゃと雑ぜ、何度か口吸いされる。掠めるばかりのそれがもどかしくて妙に心地良かった。
鎖骨を愛撫されれば、彼女からもたらされる快楽だけが頭を過ぎ、軽く声をあげればかすがはまた艶やかに笑った。


月明かり。逆光の、その姿。

触れ合う事が求められないならば、せめて瞳だけは、反らさず見させてくれ。



(離れない離さない)











リク「手懐けるかすがとデレデレ元就」



大好きっぽぽん様から頂いたリクエストです!ありがとうございました(^O^)



しかし自分で考えた話ですが
どんな女王様プレイ(^^)
Mっぽい元就は初めてだったので新境地。実は楽しかった辛夷です。

微エロてっくを目指しましたが挫折。ぽ、ぽぽん様なら許してくれるハズ(笑)


ありがとうございました!
これからもよろしくお願い致します(*^ω^*)

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