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□初恋ビター
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時々コレットやしいな、ゼロスに聞かれる事があった。
『あの人って、どんな人?』
恋愛話に興味を持つ年頃の女子二人や、色恋沙汰にやたらと首を突っ込む青年なら、その質問されても何とかかわす事は出来た。
「でもまさか、貴女に聞かれるとは思わなかったわ。プレセア」
「すいません…。でも、私気になったんです。リフィルさんが愛した人はどんな方だったか…。迷惑だったら、いいです」
「いえ。いいのよプレセア。恋愛に疎い貴女がわざわざ私にそんな事を聞いてくれることは嬉しいわ」
ぱちぱちと燃える赤に、あの人を思い出した。対になってる地と天の冠。交わした約束。果たせなかった約束。着実にあの子に惹かれている私。手放した冠。あの人を忘れられない私。
「貴女だけに、ね。たいしたことない話だけど」
「……はい」
「昔。そう、私がまだロイドより少し幼い頃に出会った人」
思い描いた初恋の日々。
それをぽつりぽつりと紡ぎ出せば、プレセアは一心に聞いていてくれる。
「ね?たいした話じゃないでしょ」
「いえ…貴重なお話、ありがとうございました」
「いえ」
プレセアは焚き火により赤く染まる私の顔を覗き込み、考え、俯く。彼女の顔は陰り、不安そうに眉を垂らして。普段見ないその表情に胸が軋む。弟だったら、慰めてあげるのかしら。
「私…よくわかりません。愛とか恋とか、異性を好きになる事が」
「…どんな現象とか感情とか、詳しくは言えないわ。個人差もあるし、私も分からないから」
ただ言えるのは、この感情には色々なものが重なりあって、正直言うと面倒だと言うことだ。
あの人は、何をしてるのだろうか。
再び会い見えたら、もう一度愛してくれるだろうか。あの低い、甘い甘美な声で名前を呼んでくれるだろうか。細い白い腕で抱きしめてくれるだろうか。
なんて願いを冠手放した時に一緒に捨てたはずなのに。
「貴女は焦らず、気にせず、ゆっくりと気付きなさい」
「気付けますか…私でも」
「ええ勿論。素敵な恋をして。お願い」
「リフィルさんは、素敵な恋をしたのですか?」
「どう、かしらね。でもひとつ言えるのは、あの人との日々は幸せだったと言う事かしら」
終
実は地の冠イベント見ていない…!
私リフィル関連で見ていないイベント多い…というか難易度が…高いのよ…。
誰か詳しく教えてプリーズ!(笑