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□WhiteCat
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白が嫌いだ。似合わないから。

純粋とかね、ありえないから。
そういうのは清らかな女性陣やジュードにあげりゃいいのよ。
ああ、ローエンも似合いそうだな。白スーツシルクハットとか。


「なんだ。雪が嫌いか?」

ミラの何故か意外そうな発言に苦笑い。


「ああ、寒いのは嫌いだよ。」





同じような会話をしたことがあった。
それは随分昔の会話で、未だに理解しきれないこの世界の仕組みとして、雪の降らない町に珍しく、ほんの少しだけ雪が降った寒い日。
シーツの海の中、嬉しそうに窓を眺める女のクリーム色の髪。寝起きの俺はその笑顔の横顔をぼーっと眺めた。


「アル。雪よ。綺麗ね」
「そうだな」
「もう。せっかくなのに」


素肌のままベッドから飛び出しそうになった彼女の腕を取ると、まぁそりゃ不服そうな顔。眼鏡無いから多少普段より目つきが悪く、睨まれて怖気ついてつい名前を呼んでしまった。

「ちょっと待てって・・・。おい、ミンク」
「ねぇ、アル。ちょっと外出ましょう。雪よ?」
「やーだよ。寒みぃもん」

「雪は嫌い?」
「ああ、寒いのは嫌いだよ」

掴んでいた手を引っ張りシーツに埋める。

散らばった髪を一房救い上げてキスすると、険しかった顔はふにゃりと表情を変える。
単純で気まぐれだよまったく。猫かこいつは。
雪で駆け回るのは犬だけどな。

頬を染めて嬉しそうに笑い、腕を伸ばしてくる。
背から抱かれて、柔らかな胸に顔を埋める。熱い鼓動の音。

「じゃ暖めてあげるわ」
「そりゃ…。ありがたいね」

人肌は温い。甘い匂いがする。
愛おしいと同じ、間違えの無い別の感情。
でも多分彼女が純粋に俺に向けてくれている恋慕とは違う、もっと根本的な愛。






「ああ、確かに似合わないな」

「っと…なにすんの」

「悪戯だな。花挿してやったぞ」

「ドヤ顔すんな」

エリーゼの大切な白い花が視界の端っこにちらつく。
まったくこの娘さんはと呆れていると、ミラは笑って逃げた。追いかける気もしなかった。
目の前には白、白、白、ちょっとグレー、白。
白ばかり。本当俺には似合わない。







あのあと結局しっぽりあった後に外に強制連行。
少しの散歩の間にも髪に付く雪を払ってばかりいる俺をけらけら笑いながら、ミンク、プレザ、ジルは「言う程似合わないことないわよ」と真っ白なコートに身を包んで俺の手を握った。








ジュード編クリア後からずっと書きたい書きたいと思っていたアルプレ!つかアルとプレザ。あくまでもこれはプレザの片想いなのだと思う。切ない。

あんまりストーリーとか設定とか頭の中できちんと理解できていなかったから用語集やうぃきさんにお世話になりながらかきました。しかし、霊勢やら季節感がよくわからなくてなんだーこうだーで結局捏造話。

妙にアルヴィンのエリーゼのふるさと向かうときに聞いた「白が似合わない」「自覚してたんだ…(←ジュード)」発言が頭に残っていました。似合わんこともねーぞ。

アルヴィンは女性陣に中途半端なフラグ立てすぎで焦りましたが結局公式に収まりました。…嘘。アルミラはいけるむしろばっちこい。



プレザの衣装がかすがに似てると思っていた人手を挙げてー…ノ

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