□茜色
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場の雰囲気を利用してやっとここまでこじつけたのに彼女はいたってクールで無表情

おいおいそりゃないぜハニー

「なんだしないのか」
「いや、違うだろ」

茜色に染まる放課後の教室
一応恋人である彼女と二人きり

「なにが言いたい」

かすがはじっと俺を睨む
頬にそえた手や、あと数センチしか間がない唇同士

それを拒まないから大丈夫かと思ったのに

「なぁ、もう少しロマンチックにできないのか?」
「乙女か」
「うるせぇ。だって普通はそうだろ」
「別にいいだろう」
「よくねぇ」
「しないのか」
「したいから!だから目をつぶれ!eyeだeye!」

キスをしようとしたのに彼女は目をつぶってくれない

「だからお前は英語点数取れないんだ。両目ならeyesだぞ」
「今それは関係ないぜハニー」

本当にかすがは俺をいじめるのが好きらしい

「別に目なんてつぶらなくてもいいだろう」
「俺が恥ずかしい」
「だから乙女か」
「もういい!」

この状況でこのまま漫才は困る

「強行手段にでるぞ」
「!!」

片手でかすがの目を隠しそのまま唇をくっつけた






「死ね」
「ぐふっはっ!」

至福の時を終えて目から手をはなそうとしたらかすがの手でおさえられて足を思い切り踏まれた

手をおさえつけたままのかすがの頬は茜色に染まっていた。夕日のせいか、それとも彼女が頬を染めているせいか


愛しくなってもう片方の手を腰に回してぎゅっと抱いた

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