女性問題(川口) エスニックマイノリティ(原田)

□女性問題(川口)
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フィリピンでの女性問題について
〜女性支援を行うNGO〜





ドゥマゲテでは、Tuburan for rural women empowerment and development incorporatedとJPC(Justice Peace Compassion)という2つの女性支援NGOにインタビューした。


Tuburan
女性の知識と能力を高めることがフィリピンのジェンダー問題の解決に向けての重要なプロセスであると考えている。そのため、主に女性教育のセミナーをフィリピンの貧困層の地域で行っている。セミナーが開かれる場所は、主に山などの未開発地域のバラン街であり、お金がなく学校に行けない人々や、栄養失調の子供が多い場所を政府から調査して、行っている。

女性教育のセミナーは、基礎・中級・上級者の3つのコースに分かれている。

基礎コース
@性別と社会的・文化的役割としての性A女性の権利Bジェンダー意識の発育C女性組合の説明

中級者コース
@女性と政府についてA女性の法律B弁護士補助員の訓練C陳情運動についてD交渉・演説について

上級者コース
@女性差別の歴史A女性とグローバル化Bリーダーシップ促進のスキル、以上のことがセミナーでは教えられている。そのほかにも、女性の経済的権限を与えるために、裏庭に畑を作り、栽培した野菜・果物を売って収入にしたり、女性同士で植物の種を分け合あったり、家畜や農具の配給を行い、農業の仕方を教えている。


JPC
@平和教育とトレーニング
A農村地帯の組合の開発
B正義と平和支持
C専門的な知識と出版物の調査、
以上のプロジェクトが行われている。その中でも、女性のジェンダー問題は重要な問題であると考え、ジェンダー教育や組織団体の女性のリーダーシップの重要性を訴え、セミナーを開いている。
 
このような女性を支援するNGOが存在する背景には、フィリピンの女性が直面している様々な暴力が存在している。


 直接的暴力は、ドメスティック・バイオレンス、セクシュアル・ハラスメント、レイプ、強制的な売春、低賃金があげられる。
 その背景にある構造的暴力では、フィリピン文化が大きな影響を与えていると考える。フィリピンでは、女性に対する差別が潜在的に人々に存在していると感じた。そのため、一般的に女性の立場は、男性よりも弱い位置にあり、女性の弱い立場は様々な場所で見受けられた。また、団体組織で女性がリーダーを務める人数は、男性のリーダーの数のおよそ半分、さらに、女性を支援するNGOの数は男性を支援するNGOの数よりも少なく、そこには女性の意見が通りにくく、女性が働きにくい社会が存在していると考える。
また、文化と同様に、フィリピンという国が貧困であるということも大きな影響を与えていると考える。貧困であるということは、教育の普及に歯止めをかけ、教育を十分に受けられないことによる、知識の不足や能力の格差が生じる。そのため、女性の教育の遅れや、働くためのスキルの欠落によって、結婚・出産の早期化、働く機会を得ることができない、夫への経済的依存が起こる。また、男性の不十分な教育によるスキルの欠落も、低賃金労働や無職、女性に対する差別的な考えを引き起こす原因となり、更なる被害を生む。


このような暴力からの自力更生は、フィリピンの人々のジェンダー意識を改革することが重要なプロセスであると考える。そのためには、人々のジェンダー知識と生活するための能力を高めることが必要不可欠である。セミナーに行き、ジェンダー教育によるジェンダー意識の改革、そして男女平等について訴えること、また、生活スキルの向上のための方法を学ぶことが、暴力からの自力更生になると考える。
 

 自力更生の阻害要因として考えられることは、フィリピンの文化による潜在的女性差別、また女性を支援するNGOが少ないこと、そして貧困があげられる。
 

 連帯では、先ほども紹介したが、女性支援を行っているTuburan、JPCなどの様々なNGO団体の支援があげられる。
 

 関与は、このように直接、女性支援を行っているNGOに行き、様々な話を聞くこと。また、支援を受けている人からも、どんな問題に直面しているのか話を聞くことがあげられる。さらに、自分の日常生活から、女性差別を見つけ出し、そこに疑問を感じること、またどうしたら改善できるのかを考えることもあげられる。 
 

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