Novel

□コノ広イ空ノ中デ
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大好きだよと
伝えることすら…。

コノ広イ空ノ中デ

 振り向けば、君がいる。
 いつだって、そうだった。
 君がいなくなってから、振り向いても何もない、そんな寂しい感覚は、後ろから吹き抜ける空気が背中で感じるたびに、いやなほどの空虚感を感じる。

 そういえば、あの日、空港で景吾と分かれるときに、俺は涙が止まらなくなった。景吾に行くな、と言えない自分がちっぽけすぎて。
 そんな景吾は、俺の涙を拭ってくれて、あきれたように笑った。

「一生の別れじゃねーんだからよ。」
「知っとるけど・・」

 なんでそんなに景吾は、いつもどおりに居られるのか。俺はこんなかっこ悪いのに。
 耐え切れなくて、空港にいるのに景吾を抱きしめた。
 殴られるかな、って思ったけど、景吾は何も言わず、ただ俺と抱き返してくれた。

「い・・」
「い?」
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