Novel

□不器用な僕等
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忘れていた、わけ

じゃない。

ただ、

思いつかなかったんだ。



不器用な僕等



 そんなのは、ただのいいわけだ。

 ジロー自身もそんなことにはとっくに気付いた。

 ただ、日吉が日々そわそわしていることとか、さりげなく言ってる言葉には、これぽっちも気付けていなかった。

 

 12月4日午後11時58分。

 日吉は、なぜかジローの家の外で立ち止まっていた。



「(違う、これは違う…。たまたま、ちょっと…用事があった、だけで…。)」



 心の中で、当ても無い言い訳を考える日吉は、白い息をはきながら、寒々とした外で呆然と立っているようにも見えた。

 そんな日吉にジローが気付いたのは、ジローの兄が、日吉に気付き、ジローを呼び止めたせいでもあった。●●
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