空白の時間
□ホタル2
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「リサ〜今夜忙しい?」
体育館を出てすぐの所でメグさんに声をかけられた。
「いえ…別に…何か用事ですか?」
首筋を伝う汗を拭いながら答える。この季節はジトジトしているせいか汗が拭いきれない。
首にかけたタオルを握りながらメグさんが笑った。
「イヤ〜たいした事じゃないんだけどね。一緒にホタル見に行かない?」
「えっ?ホタルですか?」
ちょっとびっくりした。そうかぁ〜ホタルの季節なんだ。
「そう。ホタル!今年は多いんだって〜リカが言ってたの」
そう言ってメグさんが嬉しそうに笑った。
ホタルなんてずいぶん見てない気がする。なんだかワクワクしてきた。