妄想作話3
□雫となって落ちた瞬間
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恋とは堕ちるものだと初めて知った。
それは一瞬の出来事で…
彼女の頬を伝う汗が雫となって落ちた瞬間…光が射して…時間が止まったような気がした。
試合の真っ只中…ベンチに戻ってきたユキにタオルを差し出す。
それが間に合わずに落ちた汗…
次に目に入ってきたのは彼女の白い肌…鮮やかな唇…そして細く長い指
綺麗だと思った。
それまでそんなこと思った事ないのに…一瞬が全てをかえた。
「リカさん?」
呼ばれて彼女を見れば…さっきまで普通だったのに急に鼓動が速まった。
ん?どうした私?
アレ?ドキドキが治まらない!まさか…
って…ありえないし!
だって相手はユキだよ?
改めてユキをみたら不思議そうに見つめられていて…その表情に何故か胸が締め付けられて苦しくなった。