妄想作話2
□翼を広げて
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ホテルの窓から外を見下ろす。
辺りはすっかり暗くなりあれほどいたバレーファンはほとんどいなくなっていた。
バレーの事なんて知らないだろう人達が足早に通りすぎて行く。
静かにカーテンをひき…ベッドに横たわる。
コンコンコン…
ドアを叩く音に目を開ける。
コンコンコン…コンコンコン
…………
コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン
……わかったから…
ドアノブを回すとグッと引かれて…ドアに付いて外に出てしまった。
そんな私と入れ替るように中に入った人の後ろ姿を見つめる。
振り返りもせずにどんどん奥に入って行く。
慌てて追い掛けるとバタンとドアの閉まる音が響いた。