妄想の塊

□素顔
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そこらへんにあったベンチに腰掛け、アルテミスは言った。
ア「ヘラ、私がこれから話すこと
絶対に誰にも言わないって約束
出来ますか?」
ヘ「あぁ」俺はそう返事したが
もし、実は仮面族の生き残りなんです!とか、昔宇宙人にさらわれて・・・とかだったら
絶対誰かに喋りそうだ。

ア「11歳のときでした・・・

僕は数人の友達と海で石を投げて遊んでいました。夢中になっていると何処からか、助けて、と
女の子の声が聞こえたんです。
声の方向を見ると、小さな女の子が溺れかけていました。
僕は慌てて飛び込みました。
浜のほうでは友達が大人に助けを求めたりしていました。
ア『もう大丈夫だからね』
女「えぇ〜ん!!」
泣きじゃくる女の子を抱き上げようとした途端、足を滑らせて
しまったのです。しかも悪いことに、砂に埋まっていたガラスで
僕は顔に怪我をしてしまいました・・・幸い女の子は助かり
ましたがその日を境に誰も僕に
近づかなくなりました・・・

これをみてください」
ヘ「!!」
アルテミスの仮面が外され、
俺は驚いた。
仮面のなかにあった素顔・・・
エメラルドグリーンの瞳、
綺麗な鼻のライン、
薄い唇・・・そして白い
頬の右側には、痛々しい傷跡が
あった。この傷跡が
アルテミスの美しさを一層
際立ててるようだった。
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