妄想の塊

□音楽っていいよね♪
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『風に乗せて君に届けたい〜♪
 千年の空を駆け巡り〜♪
 流星のようなこの思いを
 君に伝えたい〜♪』
林の中にいたのは、信達とさほど変わらない、中学生5人だった。
英「あ、お客さんだ」
ギターを弾いてたヘアバンドの
少年が信と啓に気づいた。
才「聴くんだったら座りなよ」
ぶっきらぼうな口調で促したのは
ニット帽を被ったベースの少年。
大「・・・ようこそ」
ボソッと呟くヘッドホンを付けている少年。なんだか啓に似ているような・・・!!
塁「楽しんでってよお2人さん!!」
響「よーっし、みんなハジケて
いこーぜーー!!」
同じ中学生なのに、何故こんなに
別の世界にいるような感じがするのだろうか。
それはバンド少年達がはっちゃけすぎだからである。

一通り演奏が終わって、夕日が
沈む頃になった。
塁「んーー!楽しかったぁー!!」
英「どうだった?」
信「へ?」
唐突に聞かれたので、返答に少し困った。
信「とてもポップでよかったですよ」
啓「歌詞もロマンティックだったし・・・」
こいつ、ロマンティックだなんて
言葉使うんだ・・・by信
信「なんでそんな演奏できるんですか?」
信の問いかけに短いサイドポニテ
の少年・・・バンド少年達のリーダーが答えた。
響「俺たち、音楽専門学校に通ってるんだ!」
信「音楽専門・・・?」
啓「楽音中学校・・・」
塁「ピンポーン!正解っ」
やたらテンションが高い少年が
答えた。
大「君達・・・御影専農中、
だね?」
信「何で知ってるんですか?」
英「音楽の神様は何でも知ってるんだぜ♪」
信がマズイ、と思い啓を見ると、
啓「君は神を見たか!!!」
案の定ぶっ壊れてた。
響「アハハッ随分個性的な
人だねぇ♪」
信「・・・すみません。でもどうして僕達が御影専農だって」
才「お前の携帯ストラップ」
信「え?・・・あっ」
英「あ〜バレちゃった!」
啓「神が舞い降りた!!」
信「お前はもう喋るな!!
ほら、帰るぞ」
響「君達との会話は楽しかったよ♪」
信「こちらこそ、ありがとうございました」
響「じゃ、また会おうね!」

数日後、サッカーの練習試合で
本当にまた会うことになるとは
まだ誰も知らない・・・。
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