今日は調理実習。



「さぁ、やるぞ!」



と、気合いを入れて袖を捲るも実は料理は得意じゃない。


ジャガイモを切れば、皮を分厚く切り過ぎて実がほぼない状態に。


調味料の分量を計れば、それぞれ間違えてとんでもなく酷い味に。


卵の入ったボールをかき混ぜれば、アッチコッチ飛び散る。



「おっかしいなぁ…」



自分ではちゃんとやっているはずなのに、と不思議に思いながらも

豪快に卵をかき混ぜていると、背後からそっと菜箸を持つ手を上から握られる。



(こ、この手は!?)



振り向かなくても誰かはわかってる。


破裂するんじゃないかというくらい、私の心を激しく揺さぶるのは…。



「サンジ先生!?」



そう。
大好きなサンジ先生しかいない。



「あの、あの…」


「いいかい?卵はこうして混ぜるといいんだよ。」



私が動揺してるのも構わず、私の上に手を添えたまま卵をかき混ぜるサンジ先生。



(幸せ〜。)



も束の間。



「わかったかい?そんじゃ、みんなで美味しい料理を作れるよう頑張ってな。」


「うあ、は、はい!!」



そう言って他の班の方へと行ってしまった先生を見送った後

私はサンジ先生に握られた自分の手を見つめ、



(こんなに料理ができない私を見捨てず優しく丁寧に教えてくれる先生。やっぱり大好きだな。)



先生への気持ちを再確認したのだった。



「ようし!やってやるぞ!」



そうして私は再び気合いを入れ直しグッと袖を捲りあげると、また調理へと取りかかっていった。




不得意な料理も大好きな先生の授業なら楽しい





(さてと、次は何をやらかしてくれるのか。楽し…)
(わぁ〜!?砂糖と塩間違えた〜!!)
(ほんと見てて飽きねェな…。)









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