小説

□確かめたいこと
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1ヶ月、家を空けた。ハルの部屋に潜伏し、情報を聞き出し、ニアから俺の写真を取り返すためだ。

それも、さっき済ませた。数年ぶりにニアは、相変わらず冷静で、俺が銃を向けても一度も振り返らなかった。多少、背が伸びただろうか。声も相変わらずロートーンだったが、わずかに低くなった気がした。

まぁそんな事はどうでもいい。無事に写真を奪い返したんだから。今はゆっくり自分の部屋で休みたい。そんな気分だった。

今はマットに連絡し、迎えを待っている所だ。冬の深夜はかなり冷え込む。白い息を吐きながら、1ヶ月前のことを思い返していた。
俺は、マットにハルと接触するため、ハルのアパートまで車で送らせた。

俺が女と一緒に住むことが、よほど気にくわなかったのか、車中は終始無言だった。

嫌みなのかマットは、煙草を立て続けに何本も吸っていた。
俺もチョコをわざと、パキパキと割って食べた。

ハルのアパートにつき、俺が降りようとした時に、抱き寄せられてキスされた。離れがたくなるような、長くて優しいキスをしてきた。唇が離れて、マットが言った言葉は。

「もし、浮気したら…俺、メロを殺しちゃうかも。」

あまりに切羽詰まった顔をして言うもんだから、俺は思わず吹き出してしまった。マットは「ひでぇ」とか言っていたが、笑いは止まらなかった。

涙目になりながら、俺は…

「もし、お前が浮気したら、俺もお前を殺してやるよ。」

と、指で銃の形を作ってマットの胸に押し付けて、言ってやった。

マットは一瞬きょとんとしていたが、すぐにニッと笑い、「了解!絶対に浮気できねぇな。」と、言った。




思い返しながら、少しだけ、顔がにやけた。
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