零明学園
□第一廻【生徒会執行部】
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穏やかな昼下がり。
ここは零明学園(れいめいがくえん)
略してゼロ学と生徒たちから呼ばれている。
生徒会室の大きなガラス張りの窓からは
「昼休み何をしようか?」と言う声が
色んな所から聞こえてくる。
まあ、学生であるならば
暢気に中庭や教室、
食堂やレストランなどで昼食っといきたいが、
俺は今それどころじゃない状況なのだ。
「霧斗、この書類お願い!」
青銀色の髪をした背中ぐらいの
ロングスロレートの髪を一部だけ、
ひと塊りに結っている。
キッチリと着た制服に青灰色の
珍しい瞳をした奴は、俺の目の前に立ち
そう言って俺にブッ厚い書類の束を渡してきた。
ちなみに、名前は 月夜 朧(つくや おぼろ)。
俺と同期で生徒会会長という如何にも
めんどくさい座に就いている。
完璧主義のしっかり者+優等生で
いろんな奴から慕われている。
見事に俺と真反対の存在だな(笑)
俺は渡された書類にザッと簡単に目をとうして
自分の机に山積みにされた書類と
手に持っている書類を見て、
深〜い溜め息を吐いた。
言い忘れていたが、
俺は 市ノ瀬 霧斗(いちのせ きりと)。
ゼロ学生徒会副会長をやっている。
自分で言うのもあれだが、
髪と目は共に漆黒で短髪。
制服をいつも着崩し、
ネクタイもゆるゆるに締めていて
「服装の乱れは、心の乱れよ!!」いつも朧に怒られている。