"待ってウサギさんっ!"
私はその揺れる長く、白い耳に誘われるように彼を追い掛けた
白いウサギは私が追い掛けて来るのを楽しむように止まっては、走り…止まっては、走り…私との距離を一定に保っている
そして時折、彼は懐から懐中時計を取り出しチラチラと時間を確認していた
はぁ…はぁ…っ
"ねぇっ!待ってって…"
あと少しで手が届く!そう思った矢先…
ー…っ!!!
私の体は急速に落下していた
"いやぁーーっ!!助けてーっ!!"
そんな叫び声と相反するように頭上にぽっかりと空いた穴の外では真っ白な耳が楽しげに揺れていた…
さぁ…
物語は始まったばかり…
click rabbit!!