短編

□刑期短縮計画
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刑期短縮計画・1

「こちらのおかたも素敵♥」
「なんだぁ、それが好みのタイプかぁ、へっぽこ。おっ、こっちも良いなぁ」
レオンとアベルがニヤけきった顔で新しく赴任してきた新人シスターの写真で品定め中。

「卿ら、ここで何をしている」
そんな男心を欠片も理解してくれなさそう(むしろ「理解不能」確定)な、小柄な全身機械男が二人へ声をかける。

「あわわわっ!!!な、な、な、んでもないんですトレス君っ!ね、ねっねっ、レオンさん」
「そそそ...そうだ、そうなんだ。俺たちゃ未来のちいっさな幸せについて論議してた真っ最中でよ」
「えぇ、どの子がかわいいかと順位をつ...げぺはぁ〜」
突如後頭部に出現した小山を見せつけながらいきなり倒れ伏した痩せた長身の神父は、そのままピクピクと痙攣するのみで起き上がる兆しもない。

「それより無駄を嫌うお前さんがこんな所でどうした?」
「迎えに来た」
簡潔な答えにも関わらず、意味を正確に理解したレオンは慌てて時計に目を落とす。
「もうこんな時間か。俺が別荘に帰っちまうとなると、世界中のいい女達が泣いて嫌がるだろうなぁ」
その呟きにはトレスは全く反応せず、黙ったまま入り口に佇んでいる。
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