短編
□痩せ薬
1ページ/7ページ
痩せ薬・1
「うん?変なお味ですね」
「アベル、砂糖の入れ過ぎのせいではないのか?」
カテリーナさんからお呼び出しがかかっていたのですが、その前にちょっと教授を訪ねた所お留守でしたので、もうすぐで帰ってくるからって言いながらユーグさんが入れてくれた紅茶を頂いた・・・んですけれど、どうも味が変なんです。
「それがあんまり甘くないんです」
気のせいかしら?と砂糖を更にドバドバ入れて、最後は飲むというより舐めるといった感触の物体を全部胃袋に収めて。
「甘味は感じるが、砂糖の味とは全然違っているな」
そう言いながら砂糖(?)を舐めているヴァトー神父。物憂げに試食している姿は、同性の私が見ていても色っぽくて少々ときめいてしまう光景。女性が見たら卒倒しかーーーあれ?あれれ??
「ナイトロード神父 ヴァトー神父」
おや、これは珍しい。通常時にトレス君がそんなに慌てて歩いてくる姿って、あんまり覚えがありません。
「卿らは"これ"を摂取したのか?」