星矢DEドリーム

□花の咲く午後4
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な、何てキレイな人なの!!!!

オス○ル! と叫び声を出してしまいそうになるのを南は必死に堪えた。
決してそんな年代ではないのだが、学生時代に読んでハマッてしまった、愛蔵版『ベルサイ○の薔○』
その作品に出てくる、華麗で美しい男装の麗人を地でいく美青年がそこにはいたのだ。

は、背後に華が見える…。

「何だよ、ムウ!」

「女性を怖がらせる事は、男のする事ではありませんよ」

何て、紳士的! ミロとはまさに正反対!!

さらにうっとりとする南。
ムウと呼ばれた青年は、透き通るような白い頬に、濃い睫毛の影が差し、何とも言えない陰影を作り出している。
しかも、ミロより少し背が低いだけで、細身ながらも鍛えられた身体をしていてひ弱な感じが全くしない。
南がムウに目と心を奪われていたその時。さらに新しい声が2つも乱入してきた。

「お前達…。一体何をしているのだ?」

一瞬、太陽が入ってきたのかと錯覚するくらいの眩しい金髪・碧眼の青年が入口に立っていた。
太い眉に、筋肉隆々とした体躯は堂々としていて男らしくて、でも眩しいくらいの美青年だから暑苦しい感じが全くしない。

ああ。ここにも太郎(父親)好みの男が1人…。

「お2人とも、こちらにいらしたのですか」

そして、その隣りに立つ青色の髪の青年が発した美声に、南は思わず聞き惚れる。
ミロの紺色の髪よりもさらに深い海の色の髪に、どこか憂いを帯びたような表情をしている青年もまた、信じられないくらいに美しい顔立ちをしていた。
ムウ同様、細身だが部屋の誰よりも背が高く、威厳のようなものさえ感じられる。

な、なんなのよこの美形軍団は!!!!

南は言葉を発する事ができなかった。
自分の手を掴むミロ。それを制止しようとするムウ。新たに部屋に入ってきた2人の美形。

ここって、ホストクラブ…? しかも、外国人専門の?

「今一度、頼む。南、沙織お嬢様と友達になってくれ」

頭を下げる童虎に、我に返った南は慌てて両手を差し出した。
もちろん、ミロの手をバシッと振り払って。

「やめて下さい! お願いですから、頭を上げて下さい!!」

「老師が頭を下げるだなんて…」

ムウが心底、驚いた声でそう漏らすのを、南はどこか遠くの方で聞いていた。

「わたしからもお願いします、南さん。どうか、アテナ…いえ沙織様のご友人になって下さい」

「むっ。わたしからも頼む」

「そうか。アテ…沙織様はご学友をご所望か。年頃の娘には、我らのような暑苦しい男は似合わぬからな」

「南〜。沙織様と友達になれよ。そしたら、俺と毎日会えるぜ♪」

「南、おいらからもお願い。沙織お嬢様と友達になってよ。そうしたら、おいらも南に会えるしさ」

その場にいる男達全員に頭を下げられ、南はもう! と立ち上がった。




さて。どうしますか、南さん?
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