☆矢小説
□ALONE(ジュリアン×ソレント)
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「星は美しい」
「っ!」
不意に、前触れもなく振り返ったジュリアンと目が合い、ソレントは思わず息を飲んだ。
なんて目を……。
なんて目でわたくしを見るのですか。
あまりにも熱い眼差しを向けられ、ソレントは目を反らす事ができずにいた。
胸の鼓動が、信じられないくらいに高まっていく。
「美しい……」
そう言って、ジュリアンは跪いているソレントの顎にそっと形のいい指を這わした。
「!」
ソレントの背に甘い痺れが走る。
近付いてくる、美しい二つの熱い眼差し。
ソレントは金縛りなあったかのように動けなかった。
「………っ」
触れ合った先から流れ込んでくる熱いものに、ソレントはただ酔いしれるしかなかった。
自然と落ちた瞼は、開く事を望んではいなかった。
その先にあるものに、手が伸ばせないから。
「星は全てのものにその輝きを放つが、わたしにはそれが耐えられない。だから、手折ろうと思う。わたしのためだけに生き、わたしの腕の中だけで呼吸する、愛しいただ一つの存在…」
「………」
ソレントはもう目が離せない。
「わたくしの全ては生まれた時からただ一人の御方のもの。その御方の腕の中以外、どこに行くというのか」
愛する主よ。あなたはわたくしの全て。
この命、この身体、御身に喜んで差し出そう。
「ならば、わたしの腕の中に墜ちてこい」
伸ばされ両の腕に、ソレントはその身をゆっくり預けた。
Fin.