小説(版権)
□眠れない時の暇潰し
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〜♪
夜中に突然鳴り響いた携帯の着信音。
この音がなるように設定してるのは最近何故か気になる“あの子”だけ…
【眠れない時の暇潰し】
携帯のディスプレイにはやはり“あの子”の名前が表示されている。
こんな夜中に電話してくるなんて非常識の塊のようなあの子らしいよ、まったく。
「…もしもし?歩だよー、どうしたの?こんな時間に?」
「おぉ、起きてたかハムスター」
「なぁっ!?ハムスターって呼び方いい加減やめてよね、ナギちゃん!」
“あの子”とは普通の中の普通のような私とは真反対の「超」がついても足りないくらいのお金持ち、三千院ナギちゃんで。
「実はだなっ、昨日から今朝方まで徹夜でゲームをしてたんだが…その、さすがに限界で昼寝を沢山してしまってだなっ…//」
「…つまり、お昼寝したせいで今寝れなくなっちゃったってことかな?」
「まぁ…そんな感じだっ!//」
自業自得のような理由で寝れなくなってるのになんでそんなに偉そうに話せるのかなぁ…はぁ。
あ。でもナギちゃんから電話ってもしかしてこれが初めてかも…?
「んっと、寝れなくなったのはわかったけど、なんで私に電話してきたのかな…?」
「いや、そのっ…ハヤテやマリアはもう寝てしまってるし、朝も早いから起こすのが悪いと思ってだな…何をして暇を潰そうか考えてたらいつの間にかお前に電話をかけてしまっていてな…」
(え…?)
「こんな夜中だし、出ないだろうとは思ってたんだが…やはり迷惑だったか…?」
さっきまでの強気な態度が一遍し、ナギは弱々しく言葉を吐き出す。
そんな台詞を言われちゃ文句も言えないや。
いつもこれくらい可愛けりゃいいのにね。
「…確かに普通、夜中に突然電話されるとびっくりするけどね?」
「うぅ…」
「でも調度起きてたし、初めて電話くれたのちょっと嬉しかったからいいや♪」
「そ、そうかっ!//さすがハムスターは物分かりがいいな!」
「だからハムスターって呼ばないでよー!?」