Gift

□アゲハ蝶
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僕の前に姿を見せた君は
幻想的で
僕みたいな男が到底手にできるようなモノではなかった
君はまるで蒼いアゲハ蝶


たった一人さまよい続ける君に
ある日声をかけた
『いつまでそうやってるの?』
君はふっと微笑んで
終わりのない世界に再び飛び立っていった
残された僕は君とオナジ


僕なんかが多くを望んではいけなかった
君を見られただけでも僕には大きな幸せだったのに
君の瞳(め)に僕だけを映してほしいなんて想ってしまった
ギリギリの世界が歪みはじめた


僕が紡いだ言の葉は
全て君へのメッセージ
君は気づいてくれないだろうけど
それでも僕は舞台に立ち続ける
君が舞い降りるその時まで


傷ついた君の羽
貫かれた跡
焼かれた跡
君がこれ以上傷つかないように
自由に空を飛べるように
この身を呈して守ろう
銀の髪飾りから
燃え上がる焔(ほのお)から
歪みはじめた世界が壊れようとも


疲れたなら休めばいい
この荒野に広がるオアシスで
とまるところがないなら僕の肩をかそう
全ては君だけのために…
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