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口付けた瞬間、妙な甘さに思わず眉を寄せた。
「おい、口」
「どうかしやしたかィ?」
「どうかしやしたかィ、じゃねえよ。何か食ってんだろ」
「あ、ばれちまいやした?」
にやりと口元を歪ませる総悟に、思わず溜息が出る。
時々、心底こいつがわからなくなる。
なぜキスの時に何かを食っているのか。
しかも、自分からキスを誘っておいてだ。
新手の嫌がらせとしか思えない。
少しイラついて総悟の額に軽くでこぴんをかましてやる。
「痛いっ」と小さく叫んで、総悟は額を押さえた。
「何するんですかィ…ったく、土方さんはすぐに手を出すからいけねェや」
「出されるようなことしてるお前が悪い」
「そんなに怒んなくてもいいじゃないですかィ!折角土方さんのためにやったのに!」
「は?」
一体何が俺のためだというのか。
物を食いながらキスをすることが俺のためになるとでも思っているのなら、こいつは一度海に沈むべきだ。
海に沈んで、魚や海藻とキスについてじっくり話し合ってこい。
そして学べ。
そう思いながら、本日二度目の溜息を吐いた。
「土方さん、土方さん」
「なんだよ」
総悟が俺の袖をくいくいと引っ張る。
やや不機嫌そうに視線を向けてやると、総悟は「んべっ」と舌を出した。
真っ赤な舌の上には、黄色い飴玉が乗っている。
「レモン味でさァ」
「何が?」
「飴が」
「それが何だってんだよ」
「なんでィ、すぐに反応すると思ったのに」
そうして少しだけ眉を下げ、総悟は呟くように言った。
「レモン味って、初めてのキスの味でしょう?」
「…お前、少女マンガでも読んだ?」
時々、心底こいつがわからなくなる。
何を見て、何を思って生きているのか、本当に理解に苦しむ。
「土方さん、ね、キスしやしょう?」
「飴出したらな」
それでも、心底可愛くて仕方がないと思っている自分がいるのだから、俺自身も存外よくわからない。
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なんとなーく意味がわからないお話。
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