*SO3*
□好きだから
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鍛え上げた拳が頭を撫でる。
その感触が気持ち良くて目を細めてしまう。
さらさらと滑らかな髪が揺れる
その様が誘うようでついつい手が伸びてしまう。
冷えた青色が熱を孕んで見つめてくる。
それだけでもう何も言えなくて、
腰に伸びた手で我に返って抵抗し始める。
抵抗し始めた手が腕を掴んでくる。
感じる手や指の小ささに、
護りたいと強く願って拳を引き寄せキスをする。
指に感じる唇の感触に、
そのあまりの優しさに驚いて
思わず瞳を覗いてしまう。
見つめられている視線に、
その見開く碧色が見たくて
絡ませるように見つめ合う
視線に引き寄せられるように重なる唇に
嫌悪感など感じるはずもなく
おとなしく瞳を閉じて、
指と指を絡ませ合う。
触れ合う全ての感触に、
愛しさばかりが込み上げてきて
見れなくなった碧の代わりに
全身で互いを感じようとした。
「バカ…」
唇を離したフェイトはそう言うと、絡み合ったクリフの拳に唇を近付け、
「でも、好きだよ…」
END