*FF[*

□部下の不始末上司の迂濶
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祭りの後の静けさというものがある。
騒いだ分だけいつもの静けさが余計に感じられる。そういうものだが、バラムガーデン総指揮官、スコール・レオンハートの誕生日は、どうにもその枠に納まらない。
祭り好きのセルフィやゼル、ノリで生きるセルフィ命のアーヴァイン。はちゃめちゃ度なら負けないラグナ。
そんな訳で必要以上に盛り上がった誕生日当日。余りの人の多さに、内心ぐったりしていたのもなんのその、その後三日間の有休をもぎ取って新婚(婚前?)旅行に旅立ったスコールとサイファーだが、散々イチャラブって帰って来たガーデンに愕然とした。
元々ガーデンは妙な形状をしている。しているが流石にコレは……。


「初めてガーデンを見た野郎はどう思うんだろうな?」

若干強面の笑顔を引きつらせるサイファーに、流石のスコールも僅かに引き気味で答える。

「デ、デパートのバーゲンか何かだと思うんじゃないか…?」


正直、FFの世界にデパートやバーゲンがあるのかは分からないが。
とにかくイメージとしては垂れ下がった大幕、風船のような物で中に浮くバーゲンセールの広告。
それにデカデカとお帰りなさいだの誕生日おめでとうだの書かれていればさすがのサイファーとスコールでも引く。とにかく引く。
だけならともかく、それにモールやら電球やらでコテコテにデコレーションまでしてある。

「なぁ…」

「なんだ?スコール」

「とてつもなく嫌な予感がするんだが…」

「…奇遇だな、俺もだ」

最後の砦、ストッパー約のキスティスは二人が休暇に入ると同時に任務に入った。
書類の類はそれこそ死ぬ気で粗方終わらせたので心配はしてない。
しかし、これはひょっとしたら、ひょっとするのかもしれない。
お酒が入ってなくてもナチュラルハイな彼らだ。
シュウ一人ではあの三人を抑え切れなかったのかもしれない。そもそもニーダは数に入れない。
二人で息を呑み、ガーデンに一歩踏み出す。





エンドレスパーティーの後始末なんてどうにも勘弁して欲しい。




そう、切実に願った。



END

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