*FF[*

□世界を捨て何を得る?U
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「どういう事!?」

ガーデンに響き渡る怒声。

「落ち着いてリノア!!」

「今うちらが騒いでもスコールはんちょは帰ってきぃひん!」

憔悴の色も顕なリノアをキスティスとセルフィが宥める。
時間圧縮から数日、未だスコールは行方不明。いくら待っても、約束の場所にスコールは現れない。その内皆にガーデンに連れ戻されたリノアだったが、ガーデンの捜索を持ってしてさえ、スコールを見つける事は出来なかった。

「一体何処に行ってもうたんか、はんちょは…」

時間圧縮が解けたのだから、無事に戻ってこれたのだとは思うが。
まさかその本人が実は時空から切り離されたアルティミシア城で、サイファーと二人っきりでメイクラブ中とはいざ知らず、数ヶ月後にスコールの捜索は打ち切られた。
ただそれでも諦められないのは、スコールに恋する魔女リノア。数年かかって魔女の力を制御すると、スコールの気配を探り始めた。

「見つけたわ!」

ある日とうとう時空の歪みにあるアルティミシア城でスコールとサイファーの気配を捉える事に成功した。

「それで、スコールは何処に!?」
諦めたとはいえ、気にはなっていた仲間達は、アルティミシア城にスコールがいると分かるや否や助けに行く事に決めたのだった。
その城が、数年間ですっかり二人の愛の巣になっている事も知らずに。

「んでもよ、スコール、サイファーと一緒にいるんだろ?」

「ん〜、面倒な事にならないと良いけど…」

「せっかく魔女を倒したのにサイファーはんちょとまた戦わなきゃいけないなんて絶対やだよ〜!」

仲間の心配は尽きる事がない。







一方で時間の流れのないアルティミシア城の二人は、再会した時のままの十代の姿で、立派なソファーでぴったりとくっついて寛いでいた。
最早最初の頃の様な陰気臭さは微塵も感じられず、二人の地道な努力によって城の中は明るく清潔な空間が広がっていた。
文字通り、二人の為の愛の城、である。
そんな幸せな一時に、何やら久しく感じなかった時空の歪みを感じたのだった。



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