書物の欄 伍

□第一話
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「街に蒼白顔(ヒッキー)が現れました!総員急いで出動してください!」


司令室からマゼンタピンクが、画面を見ながら声を張り上げた。その後ろでダラダラとお菓子とコークを食していた5人は、慌てて椅子から立った
ベタにテーブルから菓子屑を溢しながら


―――――
―――――


「街を汚染する害獣め!」

「行くぞぉ!」

「おう!」

「へ〜んしん。たぁ」


最後はいかにもやる気の無い声で掛け声で上にジャンプした。勿論、若干足が浮くレベルで


「ワインレッド!」
「スカーレット…」
「コンゴーレッド!」
「ヴァーメイルぅ」
「アルフレッド!」

「5人揃って!」
「………」
「胡乱戦隊!」
「赤レンジャー!」
「参・上!」


一人だけ何も言う気配のないスカーレットは、溜め息を吐きながらもポーズはしっかりとるのだった
そんな長い台詞におとなしく待っている蒼白顔ではない。その間にも人々の生気を吸い取り、空気中に放出する、を繰り返し結構遠くまで行っている。運動不足とは思えない速さだ


「帰ろうか。あれは一般人の手に負えるレベルではない」

「タルイ……」

「む。コークの蓋を開けてきてしまったではないか」

「ちょっとぉ、ソレってぇかなりやばいじゃぁん?帰ったらぁ砂糖水だよぉ、絶対ぃ」

「こっちなんて急いでたから、眼鏡だよ。コンタクト入れようとしてたのに」


ポーズをとること3秒。すぐさま歩き出した。のらくらと歩きながら喋る姿は、「ヒーロー」とは無縁のよう
端から見ると全身タイツ5人組の、怪しい集団でしかない
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