銀時×土方

□愛の在り処 2
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ばぁん!!と勢いよく屋上のドアが開いた。
銀時は煙草を咥えながら、ゆっくりと振り向きドアの方を向く。
開いたドアから、怒気も顕な自分の担任がこちらに向かい歩いてくるのを面倒くさそうに見遣った。
この教師はどうも苦手だ。
瞳が真っ直ぐすぎる。
そのまま、フイっと顔を逸らせてボーっと景色に目をやった。

「坂田」

後ろで自分を呼ぶのが聞こえたが敢えて無視した。
すると足音も荒く担任は自分の横にまでやってきて、咥えていた煙草を有無を言わさず奪い取る。
それに何の反応も示さず、もう1度胸ポケットから煙草を取り出して口に咥えた。
それも取り上げられる。
もう面倒になったので、仕方無しに担任の顔を見上げた。
逆光なので担任の表情までは見て取れなかったが、怒っているのは確実だ。
フーっと溜息をついてまた目を逸らした。

「なに?」

用件だけ済ませて早くここから出て行って欲しかった。
余り傍に人がいるのは好きではない。

「調査票。出してないの、お前と高杉だけだ。早く出せ!仕事が捗らん!!」

やっぱり怒っているのか、そう怒鳴ってくる担任にも余り興味は無い。

「ねぇよ、希望なんか。そんとき適当に考えるからいいじゃん」
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