銀時×土方

□魔法の小瓶
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それは沖田が持っていた一枚の写真から始まった。
土方さんには内緒ですぜィ、と言って見せてくれた写真に、銀時は目が釘付けになる。
一目でそれが欲しくなったのだ。





「はぁ。今日はえれぇ目にあった」

今日はこのところの異常気象によって降り積もった雪で、雪祭りをすると言うから参加したのだ。
優勝者にはたんまりと賞金が出るとお登勢に言われ、それが目当てで出場したのに蓋を開けてみると、
賞金ではなく賞品ハーゲンダッツ100個分という、なんともお粗末なものであった。
結局最後はいつものように、大騒ぎになって終わりを迎えたのだ。

「骨折り損のくたびれ儲けだぁ」

ぐったりとテーブルに突っ伏し、ゴロゴロしながら愚痴ってみる。
しかし、その顔は言葉と裏腹にたいそうニヤけたものだった。
今日、久方ぶりに桂と会った。
例の高杉の一件から会うのは初めてである。
傷もすっかり癒え、彼は元通りになっていた。
そう、なにもかも全てが元通りになっていたのだ。

ま、これが手に入ったからいいか

魔法の液体が入った小さな瓶を目の前で振って、銀時はほくそ笑んだ。
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