リクエスト 1

□君に会うために 1
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ようやく最強の嵐が去り、江戸の真選組に平穏が訪れた。
一部を除いて・・・。
土方十四郎は目の前の光景に気が遠くなった。

なんだ?この書類の山は・・・

よくもまぁ、ここまで溜めたものだ。
一種感動すら覚えた。
もう自棄だ。
謹慎中にも書類作成はしていたのだがそれだけでは間に合わなかったらしい。
その上、今回の騒動の後始末もある。
土方は涙を堪えながら書類の山に手を伸ばした。





減らない。どれだけ頑張っても書類は全く減る様子もない。
減るのは土方の箱の中の煙草の本数だけだった。
小さな文字を読まなければならないから目もしぱしぱするし、筆を持ちっぱなしで
手も肩も痛い。
それでなくても疲れる連中の相手とそれに伴う騒動とで、土方は限界を遙かに
超していた。

あ〜!だめだ!ちょっと出よう

ちょうど警察庁に急ぎで提出しなければいけない書類を上げたところだ。
それを自分で持っていこう。
書類を封筒に入れ、土方は立ち上がった。
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