リクエスト 1

□君を想う 1
1ページ/15ページ

 参ったなぁ、完全にはぐれちまった

銀時はちっと舌をチッと舌を鳴らした。
先ほどまで天人と大がかりな戦闘を繰り広げていたのだが、やはり形勢は不利で
一度撤退をし体勢を立て直すことにしたのだ。
その際に銀時は殿をかって出たのが天人たちは逃がす気がないのか、追撃の手を
緩めなかった。
それに応戦しながら移動していたら、いつの間にか仲間とはぐれてしまったようだ。
銀時は1人で山の中を仲間たちとの合流地点まで急いでいた。

「キャ〜〜〜!!!」

あともう少しで合流地点というところで突然女の悲鳴が聞こえた。
ここから人里まではそう遠くない。
きっと薪か何かを取りに来た里の女だろう。
天人にでも襲われているのかと銀時は慌てて声のした方へ向かった。
茂みをかき分けるとそこにいたのは意に反して人間だった。
どう見ても攘夷志士らしき4人の男が剣を鞘から抜き円になってたむろっていた。
その切っ先からは鮮血が滴り落ちている。
地面を見るとまだ若い女が倒れていた。
鮮血は彼女のものであろう。周りには血溜まりがまだ広がっていた。
男たちは突然茂みから現れた銀時に吃驚して振り返り、その姿を確認して
安心したようだ。天人かと思ったのだろう。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ