銀時×土方

□優しい嘘
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真選組副長・土方十四郎は坂田銀時の恋人だ。
もちろん真選組の連中からは歓迎はされていなかったが・・・。
きっと今日など顔を出そうものなら本気で斬り掛かられることだろう。
だからこっそり潜り込んで恋人の部屋に忍び込んだがそこはもぬけの殻だった。

おいおい、まじでか?もう日付変わってんぞ

しかしそれもきっと自分のせいだ。
今回の出動しなかったことに関して、きっと上から呼び出しでもくらっているのだろう。
それはこの部屋の惨状からも見て取れた。書類が堆く積まれ、散乱している。
きっとすごい仕事量だったはずだ。
それでなくても忙しい彼が更に仕事を増やされ、またまともに食事も睡眠も取れて
いないのではないだろうか?
あの抱きしめたら折れそうな痩躯を思うと銀時は胸が痛くなった。
とりあえず銀時は中に入り込んで待つことにする。

もしこれで土方がクビにでもなったらどうしよう…

最悪のことばかり頭に浮かんで銀時の背に冷たいモノが伝え落ちる。
彼にとってはここが居場所なのに、それをよりによって自分が原因で取り上げられようと
している事実に矢も盾もおられないが、だからと言って探しに行く宛てもない。
銀時は彼の愛飲する煙草のにおいがする部屋でただまんじりともせず、愛しい恋人が
帰ってくるのを待ち続けた。
土方が帰ってきたのはそれからまもなくだった。
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